劇団俳優座 全国巡演作品

『反応工程』

作/宮本 研
演出/小笠原 響

 

◆公演案内◆

戦争の行く末さえ考えることを許されなかった動員学徒たち。
時代の流れの中で苦悩しながらも、自分を見失うまいと、必死に生きていく人々の物語。

「ザ・パイロット」「美しきものの伝説」などで知られる宮本研氏の“戦後三部作”のうちのひとつ「反応工程」。
終戦間近の軍需化学工場に学徒動員されていた若者たち、ある日その中の1人に召集命令が下る。出兵を祝う一同だったが、彼はその夜から姿を消してしまう。少年たちの悲痛な叫びが現代を生きる私たちに問いかける衝撃作。

1945年8月・・・終戦の夏、動員学徒たちの青春

広島、長崎に原爆が投下され敗戦濃厚となった1945年夏。九州のある軍需工場で爆薬製造の「反応工程」を担当する職場に配属された高校生の田宮。工員たちは自らが働く工場の名前も作っている薬品名も口外をゆるされず、連夜の空襲の中で黙々と仕事をこなしていた。そんな中、徴兵を見送られていた学徒動員の影山に赤紙が届く。出征の宴のなか、影山は姿を消す・・・。そして、広島、長崎に立て続けに投下される原爆。敗戦濃厚の空気の中で現場に漂う焦燥感。一方、密かに日本が負けたときの準備を始める管理者たち。敗戦を感じながら工程をやらせることに憤る田宮はハンマーを握って工場の奥へと歩みを進める。そうした中、田宮にもついに召集令状が届く・・・。

 

◆キャスト◆

<配役>
 猿渡 反応工程職長       島 英臣
 荒尾 同責任工         伊東 達広
 矢部 同見習い工        八柳 豪
 柳川 同徴用工         斉藤 淳
 牟田 同現場担当係長      矢野 和朗
 太宰 勤労課員         脇田 康弘
 正枝 見張勤務・荒尾の娘    増田 あかね
 田宮 動員学徒         田中 孝宗
 林  同            野々山 貴之
 影山 同            小泉 将臣
 木戸 同(中学生)       丸本 琢郎
 節子 同(女学生)田宮の妹   田村 理子
 清原助教授・監督教官      河内 浩
 憲兵              藤田一真

   ※一部キャスト変更について
     猿渡役が、塩山誠司から島英臣へ変更となりました。

◆スタッフ◆

 <作>    宮本 研
 <演出>   小笠原響
 <美術>   松岡 泉
 <照明>   石島奈津子
 <効果>   木内 拓
 <衣裳>   友好まり子
 <舞台監督> 石井道隆
 <方言指導> 田中勝
 <稽古場写真> 古元道広
 <宣伝美術> 若林伸重
 <制作>   劇団俳優座演劇制作部

 

◆上演記録◆
 2016年5月13日~22日 紀伊國屋ホール(初演)

 

◆巡演日程◆

2023年
5月18日~23日 北九州市民劇場
5月25日~27日 下関市民劇場
5月29日    別府市民劇場
5月30日    大分市民劇場
5月31日    直方市民劇場
6月1・2日   飯塚市民劇場
6月3日     田川市民劇場
6月5・6日   熊本市民劇場
6月7・8日   鹿児島市民劇場
6月9日     都城市民劇場
6月10日    宮崎市民劇場
6月12日~16日 福岡市民劇場
6月18日    佐世保市民劇場
6月19・20日  佐賀市民劇場
6月21日~23日 長崎市民劇場
6月25日    島原市民劇場
6月26日    大村諫早市民劇場